不動産×金融の知識コラム

*本記事の内容は、一般的な情報を基に作成したものであり、特定の金融機関等を指したものではありません。
 詳細については、各金融機関等にお問い合わせください。

公開日:2020/06/01 最終更新日:2023/01/31
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不動産競売とは?不動産担保ローンの
利用で競売を避けるポイント

不動産担保ローンを活用する際に注意したいのが、競売です。ほかのローンと同じように、不動産担保ローンを返済しきれなくなると、場合によっては競売によって返済用の資金を捻出することになります。競売での売却価格は低く抑えられる傾向にあるため、あまり望ましい方法ではありません。

そこで今回は、不動産担保ローンを利用しつつ競売を避けるための方法について考えてみます。不動産競売の基礎知識とともに、賢く不動産担保ローンを利用するためのポイントをお伝えします。

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■この記事の監修者

畑中 学

武蔵野不動産相談室株式会社 代表取締役
「家を守り・家を継承させる」専門の不動産コンサルタント。一族の資産を守る「親子・親族間の売買」に定評があり、年300件超の相談者にアドバイスをしている。宅地建物取引士登録実務講習講師(不動産推進センター)やキャリアパーソン講座講師(全宅連)など不動産業界の講師を歴任し、著書には8万部超のベストセラーとなった「不動産の基本を学ぶ」(かんき出版)など多数、業界紙でもコラムを執筆している。
保有資格:宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター/マンション管理士/NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員
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不動産競売の基礎知識

不動産競売の概要とともに、どんな場合に不動産が競売にかけられるのか具体的なケースをお伝えします。

不動産競売とは?

「民事執行法」に基づき、『債権者』が債権回収のために地方裁判所に対して申し立てを行い、担保不動産などを裁判所が売却する手続きのことを競売と言います。

裁判所は『債権者』に申し立て事由があることを確認し、『債務者』(および所有者)に通知したうえで担保不動産を入札方式にて売却します。なお、請求債権より売却価格が高ければ余剰金が発生し、これは所有者へ返金されます。

不動産が競売にかけられる主なケース

不動産を担保に融資を受けた債務者が、融資(ローン)を返済できなくなった(債務不履行)場合に競売が行われます。融資した債権者が貸したお金を回収できなくなるので、せめて貸した相手(債務者)の所有している不動産を売却して融資(ローン)をできる限り返済してもらうわけです。

住宅ローンや不動産担保ローンを組む時には、通常、不動産に抵当権が設定されます。抵当権とは、債務不履行の際に、抵当権を設定した不動産の売却代金からほかの債権者より優先して弁済を受ける権利を指しています。抵当権があるために、債権者は債務者の所有する不動産を競売にかけて、その売却代金から優先的に債権の弁済を受けることができるのです。

ローン返済の入金を数カ月していないと、催告書や督促状が金融機関等から届きます。それでも返済が行われない場合には、金融機関等は裁判所に申し立てを行い、裁判所から「競売開始決定通知書」が郵送されてきます。
この段階であれば、競売ではなく「任意売却」という方法で家を売却することも可能です。任意売却ですと、自分の意思で競売より高く自宅を売却できます。しかし任意売却も目指さず放置していると、通知郵送から数カ月程度で競売が実際に開始されてしまうのです。

競売になると、手続きのプロセスに債務者の意思を反映させることはできません。金融機関等が裁判所に競売を申し立て、売却実施広告が新聞やインターネット上などに掲載されてしまい、「期間入札通知書」が送られて入札が行われます。入札には、不動産業者のみならず個人も参加してきます。

競売が終わると物件の所有権は落札者へ移行するため、引き渡し命令・強制執行によって強制的に家から出されてしまい、二度と入ることができなくなります。

こうした競売を回避するためには、ローンを滞納しないことが何より大切なのです。

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不動産担保ローンの利用時に競売を回避するポイント

不動産担保ローンを利用する立場として、ローンを返済できなくなるのは避けたいところです。競売を回避するためのポイントを2点ご紹介します。

無理のない返済計画を立てる

「リフォーム資金がほしい」「教育資金を用意したい」「会社の運転資金にしたい」など、さまざまな資金使途で不動産担保ローンは利用できる商品があります。その際、担保物件を差し出すことが必要となります。

そのため、ローンを返済できなくなった場合に競売が発生するリスクが生じます。「競売にかければ返済できるから問題ない」ということは全くありません。相場よりも安い価格でしか売却できず、それゆえ競売にかけてもローン残債を完済するまでに至らない(借金の返済は競売以降も続く)うえに、近所に経済的な困窮を知られてしまう可能性があるなど、競売のデメリットは数々あります。

銀行やノンバンクなど融資を実行した金融機関等の立場から見ても、貸したお金を回収できるわけではなく手間やコストもかかるため、決して競売という選択肢は望ましいものではありません。債務者・債権者双方にとって、できれば競売は避けたいわけです。

前述の通り、競売開始決定通知が来た後でも任意売却によってローン残債を完済できれば、競売を回避できます。しかし、それ以前にローンの滞納をしないこと、もっと言えば無理のある融資を利用しないことが必要です。不動産担保ローンの金利は年率一ケタ台で低いというメリットがあると一般的に言われたりしますが(適用される金利は審査結果により異なるので注意が必要です。)、融資額が大きいこともあり、過度に楽観的になるべきではありません。

したがって、目の前の必要資金を借りることだけではなく、その先も無理なく毎月返済していけるのか検討したうえで不動産担保ローンを利用することが望ましいのです。自分の売り上げや利益、所得などの数字を踏まえて、返済計画を立てるようにしてください。そもそも、返済能力がなければ審査に通らず融資実行はありません。

一般的に、競売物件は任意に市場で売却する(『任意売却』)よりも、低い金額になることが多いようです。また、『任意売却』と比較して売却までに時間がかかることが多いといえます。「競売でお金は何とかなる」と考えず、競売以外の手段で返済を済ませられるようにしましょう。

返済方法が豊富な不動産担保ローンを利用する

返済能力が数十年一定であるという人は、ほとんどいないでしょう。夫婦共働きで子供がいなければ家計に余裕があるかもしれませんが、教育費の気になる年頃の子供が複数人いると収入が高くても余裕はないでしょう。あるいは年を経るにつれて収入が上昇し、家計に余裕が出てくるケースもありそうです。

したがって、家計の状況に合わせて返済方法を選択できれば、返済しやすくなります。その点を考慮すると、不動産担保ローンはおすすめできる点が多いと思います。例えば、元利均等返済、元金均等返済、元金据置一括返済(元金据置返済)など、経済状況や今後のライフプランに合わせた返済方法を選べます。

なお元利均等返済は返済額が一定となる方式で、元金均等返済とは返済額に占める元金の額が一定となる方式です。元金据置一括返済とは、一定期間だけ利息だけを返済し(元金は変わらず)、期間最終月に一括で元金を返済する方式です。

返済方式については、各金融機関等の商品により異なるため、詳細はご検討中の各金融機関等にお問い合わせください。

無理のない不動産担保ローンの活用で
不動産競売を回避しよう

不動産が競売にかけられてしまうと、安く不動産を売却せざるを得なくなりますし、「ローンの返済ができなかった」という記録が残るため次回以降の借り入れが極めて困難になります。ローン返済の最終手段ではありますが、リスクの高い方法であると言うべきでしょう。

競売を回避するためにも、無理なく不動産担保ローンを利用することが求められます。もともと低金利である場合も多く見受けられため、借入額の割には利息が比較的少なく済むのが不動産担保ローンのメリットの一つです。しかし、やみくもな利用をすれば返済不能のリスクもあるというのはほかのローンと変わりありません。あらかじめ返済計画を立てるなど、賢い利用が望まれます。

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